企業の海外出張対応も”ニューノーマル化”か?
2020年11月17日(火)
レポート作成:福田 淳(ARK)with Confirmis.
タイにおける企業間取引について
2020年の初頭に流行した新型コロナウィルス感染症の世界的なパンデミックがはじまって早いもので11月に入り今年も残りわずかとなった。
日本国内では海外観光業界、国際航空業界、飲食業界などの企業業績は急激に下がっている。
日本の中小企業庁の制度では「持続化給付金」や小規模事業者や個人事業主への「家賃支援給付金」などがあり、取り敢えず経営危機を乗り越えたという企業は多いと思う。
しかし、東南アジアの新興国企業は同じようにダメージを受けているが、これから低成長経済がはじまり2021年の経済がどうなるのかを予測すると怖い。
日本は1985年9月22日のプラザ合意以降、大企業を中心にグローバル経済圏を形成し製造業の拠点は中国などに積極投資を行った。
現在は東南アジア域内に製造拠点を展開しており、設備投資をした企業はそう簡単には撤退をするわけにもいかない。
これからも事業継続を選択する日系の大企業、中堅・中小企業がほとんどだと思う。
コロナ渦の半ばにタイ国内の中小規模の日系製造業は自社のキャッシュフローに不安を抱えながらも徐々に再スタートの舵を切り始めた。そんな海図なき航海の中でも我々の企業与信調査にも変化の兆しがあった。
弊社の企業与信調査サービスの引合のプレ調査が急増
嬉しい話であるが、2020年7月頃からタイ国内企業(ARレポート)及び一部のアセアン域内の新興企業の企業与信調査の依頼が前年比較しても急増。理由は2020年2Q半ばから製造業を中心として調査受注が増えたという、さらに深堀して需要ニーズを聞くと通常の企業与信情報の中でも供給リスクを不安視しての「買い与信」だとの事。
つまり契約前および契約段階のリスク管理である。
そんな中、顧客からは電話調査以外に現地の工場や相手側のオフィスを訪問して周辺の写真または動画を撮影したビジュアル資料を用意してほしいという要望が多くなっている。
(上記は弊社のARフルレポート)
海外の取引先の不要不急の出張はなくなるのか?
このような状況を予測すると、これまでのような短期間の“弾丸出張”はなくなり、十分に遠隔リモートワークで対応することになると思う。これからの海外出張は渡航前のPCR検査での陰性証明書は当面は必須書類であり、これまで必要なかったコストまで発生し企業側もリモート化を推奨する流れとなると思われる。
それ故に、出張しなくても第三者に依頼し、事実を確認するために「現地現物主義」を対応できる調査会社や代行エージェントの需要が高まると確信している。このような現象は企業信用調査に限らず、プロジェクト進行状況などをSNSなどを駆使してDX(デジタル トランスフォーメーション)の活用で瞬時にレポートすることが出来る機能が必要となるとみている。
(上記はインドネシア製造業の現場訪問調査レポートのイメージ)
企業信用調査の写真は必要(Youtubeの影響か?動画も検討に入る)
これからはテキスト中心のレポートと併用してデジタル化「現場訪問調査」の需要が高まる兆しがある。
現在のリクエストは1回の訪問調査で5カットの写真の要望が平均的。
今後は「動画」の要求する顧客を見越して新規のサービスも検討していく。
この現象は新型コロナ感染症のニューノーマルとして不要不急の出張が今後できなくなるという意味があるのか?
製造業はリモートワークというわけにもいかず、最近では固定電話がなくモバイル携帯電話でのモビリティー化が進む中、オフィスワーク主体の企業などは一層実態調査としてのビジュアル調査の調査が必要になると思う。
やはり、ビジネスは「現地現物」の確認からはじまる。
(上記はインドネシア非製造業の現場訪問調査レポートのイメージ)
(上記は弊社のアセアン調査パートナーのConfirmis社)
弊社は提携するConfirmis社とアセアン地域各国で公認されたフィールドレポーターを通じて現地訪問による直接取材を実施することで高品質な情報の提供をしています。
HP: http://ark-g.net/credit-asean/
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