【為替動向】タイバーツは転換期なのか?
2020年4月1日(水)
レポート作成:福田 淳
海外ビジネスコンサルタント(ARK)
タイバーツは大きく転換するのか?
本日から各企業では2020年新年度がスタートしました。日本では新入社員のフレッシュ社会人をこの季節は想像します。
今回のCOVID-19収束後に備えて様々なシュミレーションを実施しながら、さらには同時にこれまでのビジネスの振り返りを行っている。
弊社WEBサイトの”アークビジネス広場” のコラム掲載で2019年12月23日に公開した「1997年からの為替ポジションのサマリー」のコメントでは、2020年前半までは「バーツ高」が続くという予想を立てたが、今回の全世界パンデミックCOVID-19 感染症の影響で経済が鈍化している状況下、2020年1月年明けから徐々に「バーツ安」へ反転しているのは以下のグラフでも明らかである。
タイの主要産業(個人的な意見)は①観光業、②農業・食品、③工業では自動車産業の3つの柱がタイ経済を牽引している。
現在の状況では「観光業」は2020年3月26日~4月30日までは外国人の入国制限があり事実上シャットアウトの状況。
日系企業を含めた工業の要である自動車産業は、今月4月には、ほとんどの自動車メーカーが数週間にわたり生産調整として操業を停止する。
2008年のリーマンショックは金融破綻から端を発した「信用不安」だったが、今回はCOVID-19による「生産と消費活動の停滞」が起きている今、海外ビジネスの在り方を見直す転換期を迎えおり、今後はより一層、為替を注視する必要がある。
(上記のグラフは2019年4月1日~2020年3月31日、直近1年間の為替レート動向)
(2020年4月1日バンコク銀行本店を撮影、月初なのにヒトは少ない)
2020年3月31日、日本銀行はタイ中央銀行との間でタイバーツと日本円を交換できる為替スワップ協定を2023年3月30日の期間まで締結したと発表。
この協定によりタイバーツは日本との信用という面では双方間の金融システム上は供給安定を確保される。
しかしながら、安全通貨という面では不安も残り、更には、このところ金相場も下落気味である。
今月4月以降、世界の経済が硬直する中、タイ経済が好転する予想もできないこともあり、どこまで「バーツ安」に向かうのか?経済の再稼働に備えていきたい。
今できることは、今まで見えてこなかった課題に真剣に創造をしていくことだと思う。
(続く)
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