コロナ渦での「バンコク国際モーターショー2020」のリベンジ開催
（”ニューノーマル”生活様式に基づいた展示方法に配慮したイベント）
2020年７月21日
レポート作成：福田 淳 X 梅谷 誠
はじめに。
タイ保健省によると7月20日（月）時点、タイ国内での新たな新型コロナウイルス感染者は1人（海外から帰国したタイ人1人）。
これまでタイ国内で感染確認されたのは累計で3,250人。
現在、治癒した(退院した)人は3,096人。入院中の人は96人。亡くなった人は58人。もっとも注目すべきは、タイでの市中感染は56 日連続でゼロであり、事実上ウイルスの封じ込めに成功をしている。
その中でのイベントという事を認識する必要があるが、バンコク国際モーターショー2020は当初、2020年3月25日～4月5日に開催予定だったものを5月開催に延期、さらに7月13日（プレス関係者のみ）開催に再延期され、一般向けの開催を7月15日～26日にバンコク近郊のIMPACT展示場で開催。初日にはテレビニュースでも紹介され、コロナ感染対策の経済活動制限が緩和されてから最初の大規模展示会として注目されている。
（華やかなコンパニオンの方々はフェースシールドで対応していた）
第41回のコンセプトは“インスピレーションが未来を解き放つ”がテーマ。
バンコク国際モーターショー2020の主催者は、Withコロナの“ニューノーマル”生活様式に基づいた展示方法に配慮。
来場者の検温スクリーニング、入出記録アプリ、会場内でのマスク着用、展示車両に乗る前に手のアルコール消毒といった措置がとられ、会場内の通路が広くされた。
何と言っても各国のモーターショーを彩るコンパニオンもフェイスシールドを装着しての対応。
(タイ語、英語でのソーシャルディスタンス注意喚起のサイネージ)
世界のトップ自動車ブランドが2020年バンコクに集結。
イベントには、欧米メーカーとしてBMW、MINI、ボルボ、マセラッティー、アストンマーチン、アウディー、ポルシェ、フォード、ランドローバーなど、日系以外のアジア勢ではMG（モーリス・ガレージ：Morris Garages）、韓国のHYUNDAI、KIAなどが出展。
全体的に今年は電動車の世界初モデルも複数含まれていた。
(VOLVO 電動モデル)
その中でもブース運営においても目立ったのは、MG（モーリス・ガレージ）で同社は中国の大手自動車メーカー、上海汽車とタイ大手財閥ジャルーン・ポーカパン（CP）グループのタイの合弁会社で自動車メンテナンスサービスセンターを強化するなど、これまで「MG」ブランドをタイでここ数年シェアを伸ばしてきた。
（MGのプレゼンテーション）
（トヨタ新型SUVカローラクロス）
日系ブランドはトヨタ自動車（トヨタ、レクサス）、ホンダ、いすゞ、三菱自動車、スズキ、マツダ、日産自動車、スバル、カワサキ、ヤマハなどが四輪車または二輪車を出展していた。
日系ブランドの人気モデルのタイプはSUVを続々このモーターショーに投入してトヨタは新型カローラクロス、日産はキックス e-POWERなど。
ホンダはソーシャルディスタンスを意識してオンラインで販売コンサルタントと接続体制に注力して各社の特徴が印象に残った。
（ホンダブランド・スポーツタイプ）
（スズキブランド・スポーツタイプ）
今回のバンコク国際モーターショーの持つ意味
弊社は1996年よりタイの経済やマーケティングを生業に日系企業向けのビジネスを展開しているが、今年は新型コロナウイルス感染症におけるタイ政府の非常事態宣言での長期の自動車メーカーの製造ライン停止など過去経験や予測しなかった事態が今年起きている。
これからタイのコア産業の一つでもある二輪、四輪市場でタイ経済の影響がどう販売実績に反映されるか。タイは新興国の東南アジア市場におけるトップランナー国である市場がどうなるか周辺国からも注目されており、今回のバンコク国際モーターショーの販売実績が今年の東南アジア域内の経済指標の一つともなると思っているので主催者発表を注目したい。
タイにおける自動車生産と販売実績と予測。
2019年におけるタイでの生産実績はタイ工業連盟(FTI)自動車部会の発表では2019年通年の生産台数は201万3,710台の実績。
2019年のタイ国内の自動車販売台数は100万7,552台であり、2020年の予測（ARK）としては80万台後半と見ている。
但し、これまでとは市場消費の動向は異なり、これまでの多目的ピックアップ型よりも、新型SUVや欧米などのスポーツタイプの高級車や電動車市場が伸びる2020年と予測する。
以上。
情報ソース：
コロナ感染症（COVID-19）関係
（タイ保健省）
https://covid19.ddc.moph.go.th/en
(バンコクモーターショー主催者Web Site)
https://bangkok-motorshow.com/bims41/main.php
———————————————————
このコラムでは出来るだけ多くの事柄を情報として発信したいと考えています。
ご不明な点がございましたら遠慮なく biz@ark.asia までご連絡ください。
株式会社アークビジネスサーチ（東京事務所）www.ark.asia
ARK BKK SERVICE CO.,LTD. （バンコク事務所）www.ark-g.net